2024.9.9
白内障とは
眼内でピントを調節するレンズの働きをする“水晶体”がにごる病気を白内障と呼びます。老化が主な原因ですが、その他アトピーや糖尿病、外傷などが原因になることもあります。視力が低下するだけではなく、視界が暗くなったり、白っぽく霞んで見えたりまぶしく見える場合もあります。
眼内でピントを調節するレンズの働きをする“水晶体”がにごる病気を白内障と呼びます。老化が主な原因ですが、その他アトピーや糖尿病、外傷などが原因になることもあります。視力が低下するだけではなく、視界が暗くなったり、白っぽく霞んで見えたりまぶしく見える場合もあります。
メガネやコンタクトレンズで調整しても視力は回復せず、症状は次第に進行します。白内障の治療には、進行を遅らせる点眼治療と、濁った水晶体を取り替える手術治療のふたつがあります。
手術は局所麻酔で行います。
手術方法は“水晶体超音波乳化吸引術+眼内レンズ挿入術”です。角膜に沿って2~3㎜の強膜を切開し、濁った水晶体を超音波で砕いて小さくして吸出します。水晶体を包んでいた袋(水晶体嚢)は残しておき、その袋のなかに眼内レンズを入れることで固定させることができます。眼内レンズはシリコンやアクリルといった柔らかい素材でできており、折りたたんで小さな創口からいれるため創はほとんどの場合、縫合いたしません。
また、レンズは通常交換する必要はなく、一生使うことができます。
通常は10~15分程度の手術になります。
ひとつめには、水晶体が非常に硬くなって超音波で砕けないときです。少し硬いだけでしたら少し時間が長くかかるだけで通常の手術方法ですが、超音波で砕くことが難しい場合、そのまま大きな傷口(10㎜)から取り出して縫合することもあります(嚢外摘出術)。
ふたつめに、水晶体を眼内に吊るしているチン氏帯とよばれる細いひものようなものが弱くなっている場合です。若い頃に眼を強くぶつけたことがある方やアトピーのある方ではこの組織が弱くなっていることがあり、レンズが袋に固定できないことがあります。その場合、水晶体は大きいまま取り出したり、眼内レンズを直接固定する必要がありますので、追加の手技と時間が必要となります。
リスクが高いと術前に判断できた方については事前にお話させていただきますが、手術中にわかることもありますので、その際は手術後にわかりやすく説明いたします。
白内障手術は、現在とても安全なものになりましたが、そのほかにも合併症の可能性はゼロではありません。重症の場合には手術前よりも視力が悪くなったり失明に至ることもあります。
後嚢破損 水晶体の後方の薄い膜が手術中に破け、水晶体破片が眼内に落ちたり、後方の硝子体が前方へ脱出したりする合併症で、眼内レンズの移植ができなかったり、最悪の場合は途中で手術が続行不可能となります。
チン氏帯断裂 水晶体を支えている線維が手術中に断裂することで、後嚢破損と似たような状態になります。
水晶体落下
上述の合併症により、水晶体の中身が眼内に落下してしまうことです。
落下した水晶体を放置しておくと、失明につながる危険もあり、硝子体手術などの適切な処置を必要とします。
水疱性角膜症
眼の前方に位置する角膜の細胞(内皮細胞)が障害されることにより、本来透明な角膜に混濁を生じます。
角膜移植などの治療が必要になります。
眼内炎
手術の創より眼表面等の病原菌がはいり、眼内感染を起こす可能性があります。
眼表感染がおこった場合、再手術、抗生剤の投与をおこないますが視力予後は不良です。
術後見え方が急におかしくなったり、強い痛みや充血を認めたら必ずご連絡ください。
駆逐性出血
手術中に眼球の圧が変化することによって起こる眼球内の出血です。
いかなる処置によっても回復不可能な障害をもたらします。非常にまれですが、失明の危険性の高い合併症です。
その他、さまざまな合併症がこれまでに報告されています。
このような合併症により、眼内レンズが移植できなかったり、手術時間が長くなったり、再手術が必要になったりすることがあります。
合併症はゼロではありませんが、白内障手術は多くの手術の中で、最も安全なものの一つにはいります。
我々のクリニックではより安全に安心して手術を受けていただけるように日々努力し、良い結果を目指したいと考えています。
また、手術はよく理解して受けていただきたいと考えています。
ご不明な点、疑問点などがありましたら、我々スタッフに遠慮なくお尋ねください。
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